高圧交流電界の人慢性リウマチ関節炎に対するランダム化・二重盲検・シャムコントロールされた臨床試験の検討
要旨
背景と目的
高圧交流静電界療法(EF-HVAC)は、日本においては頭痛・肩こり・慢性便秘・不眠症に対する伝統的な代替医療である。
日本におけるオープンラベル試験と臨床研究によれば、EF-HVACは慢性関節炎に安全で有効な治療であることが判明している。
そこで我々は、ランダム化・二重盲検・シャムコントロールしたEF-HVAC試験を、地域医療機関に通院するリウマチ(RA)患者を対象として行い、その有効性の確認を行った。
方法
米国リウマチ学会の診断基準を満たす30人のRA患者を募った。
日本におけるオープンラベル試験と臨床研究によれば、EF-HVACは慢性関節炎に安全で有効な治療であることが判明している。
ココロカ株式会社製の高圧交流静電界治療器「レガシス プラス」を用いた。また、シャムセラピー(見かけだけで高電位が発生しない治療器)も併行して行った。治療期間は12週で、その後に治療器を使用しない4週を設けた。
症状を解析する従属変数として、DAS28-CRP、視覚的疼痛アナログスケール(VAS)、リウマチ身体機能障害診断問診表(MHAQ)、炎症パラメーターを採用した。
結果
24名の患者(各群 N=12)をプロトコールに沿って解析した。
EF-HVAC群は8~12週において、電位治療の開始前と比較し、DAS28-CRPの値が低下した。EF-HVAC群とシャムコントロール群の群間では目だった差異は観察されなかった。
VAS解析においても、EF-HVAC群の電位治療の開始前と開始後において、著しく値が低下した。また、EF-HVAC群はシャムコントロール群の8~12週と比較して著しくVASの値が低下した。
その他のMHAQを含むパラメーターでは、治療開始前と開始後(群内差)、EF-HVAC群とシャムコントロール群の間に目立つ差異は観察されなかった。
また、この臨床研究を通して、有害事象は観察されなかった。
結論
EF-HVAC治療はRAの主観的疼痛の改善に有効である。